物欲の向こう側 (TG-6編)

広告というのは人の物欲を刺激して散在させるのが目的であるから、広告を見てそれが欲しくなったら広告の勝ち(自分の負け)なのだというのはよく分かっている。しかし欲しいものをタイミングよくくすぐられると負けそうになるのは事実である。

こんなサイトを見てしまった。https://olympus-imaging.jp/product/compact/tg6/review/index.html オリンパスのTG-6というコンデジのスペシャルサイトなのだが、この手のカメラにはめっぽう弱い。カメラというのは真を写すものだという人がいるが、私的には肉眼で見ることができないものを写すカメラに憧れるのである。超望遠しかり、超マクロしかりである。

TG-6というのはオリンパスのタフネスコンデジなのだ。防水15m、1cmマクロの顕微鏡モード、可変枚数深度合成などくすぐられる機能がある。魚眼(しかも防水)コンバーターやリングライトの機能を足してくれるオプション(フラッシュディフューザー、LEDライトガイド)もある。シャッター半押しでスタートし、全押し0.5秒前からの5枚をキャプチャーしてくれるプリキャプチャーは蝶の撮影には欠かせない機能だろう。

もちろん1/2.3型の撮像素子であるから星の写真は撮れない。しかし、星を撮りに遠征した先で水が流れていてサンショウウオがいても、これがポケットに入っていれば躊躇無く撮影することができるだろうことは想像に難くない。

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ欲しい。

現在物欲と財布が決死のバトルを繰り広げているところである。

彗星会議

彗星といえば・・・・どんな彗星を思い浮かべるしょうか。思い出に残る大彗星を思い出す人が多いと思いますがその彗星によって年代がばれてしまうという弊害もあります。池谷関彗星/ベネット彗星/ウェスト彗星/ハレー彗星/百武彗星/ヘールボップ彗星/マックノート彗星・・・

最近ではアイソン彗星が大彗星になると期待されましたが近日点に接近する途中であえなく崩壊してしまったのは記憶に新しいところかと思います。もちろんそれほど明るくならない暗い彗星は常に夜空にある状態なのですがあまりに暗くて一般の人の話題には全く登場しない状態です。

それでも彗星愛に溢れる人々による彗星会議が今年も開催されました。会場は宮城県の大崎市、パレットおおさきと川渡温泉の玉造荘を舞台に彗星愛が爆発しておりました。今回は地元の高校生による研究発表もあり、講演会が一般聴講可能という会になりましたので150名近い参加者を得て盛会となりました。もちろん日本全国からの彗星観測者、彗星愛好者の参加で熱い議論が戦わされ夜の懇親会もとても有意義なものとなりました。

来年は高知県での開催です。池谷関彗星の関さんの地元ということで来年も盛り上がることでしょう。 写真は超新星発見で有名な板垣さんからの差し入れの「豆の板垣のバターピーナッツ」です。

超新星発見で有名な板垣さんからの差し入れ。ご存知「豆の板垣」のバターピーナッツ

画像処理のフラットフレーム

フラットフレームをご存知ですか。天体画像を処理するときに使用する補助的な写真のひとつです。

天体写真は普通のスナップ写真と違い極端な露出不足でノイズまみれの写真です。撮影しただけだと「なんだこりゃ」というような画像です。ですので撮影後にいろいろ補正をしてあげてなんとか見られる写真に仕上げるわけです。

天体写真を仕上げるにはまず素材としての写真を準備する「一次処理」と好みの画像に仕上げる「レタッチ」の工程を行います。その一次処理で使用するのがダークフレームやフラットフレームなわけです。ダークフレームというのは天体写真を撮影した設定のまま、レンズに蓋をして真っ黒な写真を撮影したものです。蓋をするので当然何も写らないわけですが、実はサーマルノイズやホットピクセルなどカメラの中で発生するものが写っているのです。撮影した天体写真からこのダークフレームを引き算してあげるとノイズやホットピクセルが消えてなくなるというわけです。この工程を「ダークを引く」と言ったりします。

一次処理のもうひとつの工程が「フラット割り」と呼ばれるものです。これは天体写真を撮影したセットでレンズの前に白い均一なものを置いて真っ白な画像を撮影したフラットフレームで割り算をします。そうするとレンズの周辺減光や写りこんだゴミの影などを均一化することができます。これは撮影した光学系の収差やゴミを取り去る処理なので星などが写っていては困るわけです。ですからレンズの前にEL発光板などを置いて撮影しておくのですが、最近アストロアーツのサイトにセルフフラット補正なる画像処理方法が掲載されました。

このセルフフラット補正というのは撮影した天体写真に画像処理を施して擬似フラットフレームを作ってしまおうというものです。別途フラットフレームを撮影しておかなくていいので楽といえば楽ですね。この処理は撮影した画像を使用して星以外の部分で擬似フラットを作成するものです。ですから被り補正も含まれてしまうわけです。この処理は観賞用の写真を作成するためのテクニックですよね。本来フラット割りは観測用に撮影した画像を測定するための一次処理なのですが、最近は被り補正などを含めて光害フラットなどというわけの分からない用語を作り出す人がいて混乱しているようにみえます。アストロアーツのセルフフラットも鑑賞写真用のフラットもどきでしょう。観測(測光)用途にも使えるような設定ができるのかなあ。

今は楽しそうな企画が一杯ありますね

面白そうなものがないかなとWebを徘徊していたらサマースクールなんてあるんですね。昔からやっているものもありますが、今はいろいろなところで開催されているのにびっくりしました。ちょっと検索しただけでも出てくる出てくる。

高校生向けのものも充実してきているようです。旅費等の補助が出るものもあるので調べてみるといいかも。高校生のときにこのようなものがあったら飛びついていたのになあと指を咥えてみてました。

今年の夏もまだ受け付けているところがあるようです。志のある方は参加してみると世界が変わるかもしれませんね。

【高校生向け】
もしも君が杜の都で天文学者になったら
https://www.astr.tohoku.ac.jp/MosiTen/gaiyou.html
科学者の卵要請講座
http://www.ige.tohoku.ac.jp/mirai/
美ら星研究体験隊
http://www.miz.nao.ac.jp/content/news/event/20190528-352
Z星研究調査隊
http://www.miz.nao.ac.jp/content/news/event/20190530-353
【大学生向け】
電波天文観測実習
https://www.nro.nao.ac.jp/~nro45mrt/html/misc/45school.html
サマーステューデントプログラム(夏の体験研究)
https://guas-astronomy.jp/ss.html
総研大・国立天文台スプリングスクール
https://guas-astronomy.jp/springs.html
【大学院生向け】
天文・天体物理若手夏の学校
http://www.astro-wakate.org/ss2019/web/index.html

撮ってこい

なにやらFUJIFILMが面白そうな企画をしてますね。カメラと旅費を支給するから「キミが人生でとるはずのなかった1枚、撮ってこい。」ということらしい。

学生限定の応募企画だそうだが、これはたいへんおもしろい。自分が学生でないのが悔やまれる(^-^; 別段星の写真に限った企画ではないけど、FUJIのカメラは水素の輝線(Hα)がある程度透過する設計をしているので天体写真を撮るにはいいカメラです。是非学生の方は応募してみるといいよ。

私だったら何を企画して応募するかなあ。人生で一度も行くことは無いだろう所といえば南極、北極とかシベリアの奥地とかかな。目の前にかざした手が見えないくらいの暗闇の中で星の写真を撮りたいかな。しかも360度視界が開けているところ。

FUJIFILMさん、ん年前に企画してくれたらよかったのに。残念!

2019年07月01日18:00応募締切りみたいですよ。
応募サイトはここ

彗星会議2019

2019/06/15-16 に宮城県大崎市で彗星会議が開催されます。

宮城県の大崎市にある パレットおおさき と 鳴子温泉玉造荘 を会場に開かれるようです。なんでも全国の彗星好きな研究者やアマチュアが集まって来るそうなのですが、みなさん彗星のように尾を引きながら飛んでくるのかな(そんなわけない!)

彗星会議のホームページは 「彗星会議2019」 から見ることができます。

研究会の参加・発表は締め切られていますが、初日の講演会や高校生等の研究発表はパレットおおさきに申し込めば無料で聴講できます。招待講演は元仙台市天文台の小石川正弘氏による「私が出会った彗星たち~夜を楽しく~」という講演です。

研究発表する地元の高校生の記事が 河北新報の記事 に掲載されていました。

大崎生涯学習センターに電話(0229-91-8611)で聴講参加を申込めるそうです。

Rapsberry PI 再インストール

Rapsberry PIを久しぶりに出して遊ぼうと思ったら立ち上がらない。OSが古いので最新バージョンにupdateしてチェックしようと思ったらμSDがフォーマットすら出来ず(@@;
どうやらμSDが壊れているようだ。メモリーカードはたくさんありすぎて、個別の保証書とかは紛失している場合がほとんどなので交換も出来ない…orz やはり保証書は整理して保存しておくべきだなあと思ったのでした。

以下備忘録

SDフォーマッターもupdateされていたのでdownloadしてインストール(Ver. 5.0.1)
https://www.sdcard.org/jp/downloads/formatter/

NOOBSも最新版をdownload(Ver. 3.0.1)
https://www.raspberrypi.org/downloads/noobs/

μSDをフォーマットしてNOOBSのzipを展開してμSDのルートにコピー

μSDをRapsberry PIに挿入して起動

インストーラーが起動したら好みのOSを選択してinstall (一番上のFullを選んだ)

インストールされるまでしばらく待つ(けっこう時間がかかる)

インストールが成功したら[OK]をクリックで再起動される

updateを促されるのでskipせずにnextクリックでupdateが始まる

最新のRaspbianはだいぶUIがこなれてきた印象。Windowsユーザーでも違和感無く使えるのではないかな。部屋の中に転がっていたカードリーダーを指してもあっさり認識してくれたので必要なファイルをコピーして即利用開始できた。

またラズパイ遊びを再開しようと思う。(睡眠時間が足りない・・・・・^-^;)

天文台日記

このBlogのタイトルである「天文台日記」は石田五郎さんの著書「天文台日記」から拝借しています。天文台日記をご存知でしょうか。岡山に出来た光景188cmの東洋一の大望遠鏡を擁するの天体物理観測所に勤務していた天文学者の石田五郎さんが日々の天文台の様子を淡々と日記形式で綴る名著です。天文台というところに憧れる者にとって天文台の中の人が中の様子を淡々と語る文章に思わず引き込まれてしまった記憶があります。

1960年に東京大学東京天文台付属施設として開台した岡山天体物理観測所は1988年に国立天文台の観測施設として改組され、2017年に共同利用を終了するまで天文愛好家の聖地として憧れの対象でした。現在も国立天文台の施設として活躍しています。このあたりのことは 岡山天体物理観測所のサイト を見ると書いてあります。このサイトには188cm望遠鏡の ペーパークラフト もあって、それが凄くかっこいいのです。今度作ってみようと思います。

入梅

梅雨入りしたらしい。天気図には梅雨前線がのびていて梅雨だなあとは思う。東北南部の梅雨入りは例年より5日早いそうだ。近畿地方より東北南部の梅雨入りが早いのは45年ぶりだとか。

梅雨時に気をつけなければならないことは3つある。ひとつはポチリ病、ふたつ目はカビ、3つ目は凹症候群である。

ポチリ病はいうまでもなく通販サイトでついポチッとクリックして散財してしまうこと。星の見えないこの時期は脳内で星空を思い出して悦に入ることが多くなるのだが、脳内プラネタリウムの危険なところは倍率、解像度に制限がないことである。実際の星空ならば使用している望遠鏡以上のものは見えてこない。ところが脳内プラネタリウムの性能は経験した記憶の制限までは到達できるのである。脳内プラネタリウムの映像にはハッブル宇宙望遠鏡の写真集で見た銀河が見えるのである。そこでこれくらいの機材があれば写せるかななどと妄想を膨らませているうちに人差し指が勝手に通販サイトでクリックしてしまうという重い病である。この病気は慢性化すると破産にまっしぐらという危険を孕んでいるので早期発見早期治療以外に対策はないので気をつけたい。

カビはやっかいである。なにも栄養も何もないレンズに生えなくてもよさそうなものだがカビが何故レンズに生えるのかはカビに聞かないとわからない。レンズの表面で繁殖するだけで吹けば飛んでいってくれればまだしも、レンズやミラーに深刻なダメージを与えてくれるので対策をしないと大変なことになってしまう。防湿庫があればいいのだが、あれはカメラやレンズは入るが望遠鏡は入らないのである。望遠鏡は布団圧縮袋に乾燥剤とともに入れておき、時々日光に当てる方法をとる人が多いのではないかな。たくさん望遠鏡を持っている人には頭の痛い季節であることに間違いない。

さて、凹症候群は一番性質が悪い。星の見えないこの時期、宇宙に関する知識欲を満たすべく宇宙関連の本を買い込んで勉強する人も多いだろう。しかし宇宙は広大なのである。広大ゆえに本も膨大な数が出版されている。アレも知りたい、コレも知りたいと本を物色しているうちに気がつくと読んでいない本が机の傍らに積み上げられているという状況を伴う場合が多い。だがこの病の本質は精神に何らかの影響があることである。膨大に積み上げられた本を片っ端から読み漁る行為は、読めば読むほど分けが分からなくなりまた本を購入してしまうという悪循環に陥った挙句「自分は何も分かっていない」と思い込んで精神がボコボコに打ちのめされるのである。この病はまじめに宇宙を勉強しようと思う人、宇宙の全てを知りたいと思う人に多く発症するようだ。特効薬としては本の種類を変えることが推奨されている(本当か?^-^;)。「○○入門」的なこんなこと分かってるよという本を読むか、宇宙の写真集を何も考えずにページをめくって「宇宙ってきれいだなあ」とリラックスすることです。

なにはともあれ梅雨時に星が見えないのはどうしようもないので梅雨明けを待つ間を楽しく過ごす方法を模索していきたい。

満天の星…空

満天というのは「 空に満ちていること 」という意味なので降るような星空のことは「満天の星」という。満天の星空という表現があちこち散見されるけれど、それだと空にたくさん星空が満ちていることになってしまうのかな。星空はひとつなのにそれではマルチバースならぬマルチスカイだね。

言葉は動いていくものだからだんだん変わっていくのは仕方ない。だがその過程の中にいると違和感を持つ人がいるのも事実だろうと思う。「全く・・・ない」と全くという言葉は否定形を伴うと教育された世代は現代の「全く+肯定形」に違和感を覚えていたのだが最近は押し切られた格好である。

満天にたくさんの「星空」が輝く日も遠くないのかもしれない。