観望会Q&A

恒星

何年前の星の光が見えていますか?

 星間での距離は光の速度で何年も何万年も何億年もかかって地球に到達します。 今見えている星の光ははるか昔にその恒星を出た光が今地球に届いているのですね。 ですから昔の星を見ていることになるわけです。

ではどのくらい昔かというと、例えば子犬座のプロキオンは地球から11光年の距離にあります。 11年前にプロキオンを出た光は今私たちに見えている光なのです。 今は2019年ですから11年前は2008年ということになります。 2008年といえば、松下電器産業がPanasonicに社名を変更し、東芝がHD DVDを諦め、オバマさんがアメリカ大統領になり、小林さん、益川さん、南部さんがノーベル物理学賞を受賞した年です。 その年にプロキオンを出た光を今私たちは見ているわけです。

では一等星までの距離と、今見えているその星の光がいつごろその星を出たものかを表にしてみましょう。

名前等級星座距離(光年)光が出発した年何時代?その頃の出来事
アルファ・ケンタウリ-0.3ケンタウルス座4.32015平成あかつき金星再投入
シリウス-1.5おおいぬ座 8.62010平成はやぶさ帰還
プロキオン+0.4こいぬ座112008平成オバマ大統領就任
アルタイル+0.8わし座172001平成ディズニーシーopen
フォーマルハウト+1.2みなみのうお座251994平成松本サリン事件
ベガ+0.0こと座251994平成H-IIロケット1号機打上成功
ポルックス+1.1ふたご座341985昭和 国際科学技術博覧会(つくば'85)
アークトゥルス-0.3うしかい座371982昭和フォークランド紛争終結
カペラ-0.5ぎょしゃ座431976昭和ウエスト彗星
アルデバラン+0.8おうし座671952昭和 サンフランシスコ講和条約
レグルス+1.3しし座791940昭和 日独伊三国軍事同盟
アケルナル+0.5エリダヌス座1401879明治琉球が沖縄県となる
スピカ+1.0(分光連星)おとめ座2501769江戸アメリカ独立宣言(1776)
ベルックス+1.3みなみじゅうじ座2791740江戸
カノープス-0.7りゅうこつ座3091710江戸享保の改革(1716~)
アクルックス+0.8みなみじゅうじ座3241695江戸
ハダル+0.6ケンタウルス座3921627江戸大阪夏の陣(1615)
ベテルギウス+0.4(変光星)オリオン座4971522戦国マゼラン隊世界一周
アンタレス+1.0(変光星)さそり座5531466室町応仁の乱(1467)
リゲル+0.1オリオン座8631156平安保元の乱
デネブ+1.3はくちょう座1424595飛鳥聖徳太子が摂政

半分以上の一等星は昭和以降にその星を放たれた光を見ているんですね。 138億年の宇宙の歴史から見るとつい最近の光を見ているわけです。 近くの星は明るく見えるので、明るい一等星は近くにあることがよく分かると思います。 ただ、デネブは一等星の中では強烈に明るい星なんです。 ですから他の一等星よりも遠くにあるのに一等星の仲間入りをしているんです。

一等星は比較的近い距離にある
半分以上の一等星の光は昭和以降に放たれたもの
デネブは遠い=明るい星

春の大三角

 春の大三角を見てみましょう。 春の大三角はうしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラがつくる三角形です。 デネボラは2等星なので上の表には載っていませんが、36光年くらいの距離なので昭和の時代に放たれた光を今見ていることになります。 しし座のレグルスも昭和ですね。 スピカだけが江戸時代の光を見ているわけです。 250年前にスピカから放たれた光が今届いていると思うとなんだか不思議な感じですね。

春の大三角

江戸スピカ、あとは昭和の春の三角

夏の大三角

 夏の大三角を見てみましょう。 夏の大三角はこと座のべが、わし座のアルタイルという七夕の織姫と彦星に加えて、はくちょう座のデネぶがつくる三角形です。 七夕の頃には必ず話題に上る星たちですから親しみのある人も多いのではないでしょうか。 デネブだけが遠いところで光っていますが、織姫と彦星は比較的近いところにあるんですね。

夏の大三角


飛鳥デブ、あとは平成夏の三角
(エ・・・エバンゲリオンじゃないからね)

冬の六角形

 冬の六角形を見てみましょう。 最近は冬のダイヤモンドなどと呼ばれているようですが、どう見てもダイヤモンドには見えません。 どちらかというと亀の甲羅の亀甲模様のが近いと思うのですがいかがでしょうか。

この六角形の中の一等星の光はいつ頃放たれたものでしょうか。 下側のシリウスから時計回りにたどっていくと、 「平成-平成-昭和-昭和-昭和-平安-戦国」とだんだん年代を遡っていく並びになっています。 実際の距離もこの順番に遠くなっていくのです(大発見でしょう?)。

冬の六角形


冬の六角、右回りに古くなる

 以上何度か口にすれば覚えてしまうと思いますよ。 空を見上げたときに思い出してみてくださいね。

2019/05/23 投稿