18世紀にシャルル・メシエというフランスの天文学者がいました。
メシエは彗星捜索を積極的に行い生涯で13個の新彗星を発見したそうです。
メシエは彗星捜索をするときに彗星と紛らわしい星雲をメシエカタログとして整理しました。
ルイ15世はメシエを「彗星の狩人」とよび、ナポレオンはメシエに勲章を与えたそうです。(wikipedia)
メシエの作った星雲のカタログはM1~M110までの110個が記載されていますが、メシエが記載したのは103個だそうです。
M104以降はメシエが記していたもののメシエカタログに載せていなかったものを後世の天文学者が追加しました。
メシエカタログにはいくつか間違いがあり、その後訂正されたものもあるが、M40は二重星であり、M102は未だ同定されていないそうです。
メシエが使用していた望遠鏡は小口径(5-7cm?)のものだそうですので、当時の望遠鏡ですから現代の望遠鏡のようによくは見えなかったのでしょう。
メシエが彗星と紛らわしい星雲を集めたカタログですが、星雲、球状星団、散開星団、銀河などいろいろな種類の天体が混じっています。
ハッブルがM31までの距離が90万光年(現代では230万光年程)を初めて測った1923年までは銀河という存在自体がよく分からなかったのですから、メシエが全て星雲と思っていたとしても不思議ではありませんね。
M31のアンドロメダ大銀河も以前はアンドロメダ大星雲と呼ばれていたのですから。
メシエが小望遠鏡で作成したカタログですから観望会でも案内しやすい天体が揃っています。
アンドロメダ座のM31(アンドロメダ大銀河)、オリオン座のM42(オリオン座大星雲)は肉眼でもその存在が分かるほどの天体です。
おうし座のM45(プレヤデス星団、すばる)も肉眼でその存在がよく分かります。
これらは外せないでしょう。
小望遠鏡ならば散開星団がお勧めです。
銀河は小さく暗いものが多いので星を見慣れていない人にはなかなか認識していただけないことも多いのです。
星雲もそうです。M42は当然お勧めなのですが、こと座のM57やこぎつね座のM27あたりもよく見えます。
これら以外の星雲は意外と難物でして、そらし目を出来ない人に案内するのは結構難儀します。
球状星団は丸くぼんやりとした星の集まりだというのは分かっていただけても個々の星に分離して見ていただくには20cm級が欲しい所です。
しかし、散開星団は星がまばらながらも集まっているし、星ですから星雲のように見難いこともなく皆さんに喜んでいただけることが多いのです。
やはり小望遠鏡での観望会は散開星団を入れておくのがいいと思っています。
冬であれば、ふたご座のM35、ぎょしゃ座のM36,37,38の団子三兄弟を連続して見てもらうと散開星団の個性もよく分かるので特にお勧めです。
井岡一翔という凄く強いボクサーがいました。
3階級制覇を成し遂げたりしましたのでファンの方もいるかもしれません。
メシエが大のボクシングファンであることは天文ファンの間では有名ですが、メシエが井岡の試合をこっそり見に来たのはあまり知られていません。
メシエは周囲の天文ファンに気付かれないように冷静に試合を観戦していました。
井岡がコーナーに追い詰められたときにも手に汗を握りながらも冷静に試合を追っていました。
しかし、井岡が反撃に出るタイミングで相手の選手が逃げ回るのを見て我慢できず思わず叫んでしまいました。
「井岡!追へ」
もう覚えましたね。(もちろんこの話はフィクションです)
メシエ天体の多い星座の順番を忘れたときには「井岡!追へ」と思い出してください。
| 星座名 | メシエ天体の数 | 順位 | |
|---|---|---|---|
| い | いて座 | 15 | 1 |
| お | おとめ座 | 11 | 2 |
| か | かみのけ座 | 8 | 3 |
| ! | |||
| お | おおぐま座 | 7 | 4 |
| へ | へびつかい座 | 7 | 4 |
おとめ座やかみのけ座にメシエ天体が多いのは、この辺りは我々の銀河系も含まれるおとめ座銀河団と呼ばれる銀河が密集している場所だからです。
メシエ天体は多いのですがほとんどが銀河なので小望遠鏡の観望会ではちょっと辛いものがあります。
そこで今回は先に出てきたM27を含むこぎつね座を紹介します。
こぎつね座ははくちょう座のくちばしの横にある暗い星座です。
この周囲にはいるか座、や座など小さくて暗い星ばかりだけど意外と目立つ星座があるのですが、こぎつね座は全く目立ちません。
α星でさえ4.5等星という暗さです。
しかし、この星座には前述したM27という亜鈴状星雲とコートハンガーというアステリズムがあってこの両者はとても人気があります。
とくにコートハンガーは双眼鏡ですぐ見つかり、誰が見てもコートハンガーに見えるというのでこれを好きな人はたくさんいます。
コートハンガーは双眼鏡でいるか座を視野に入れて、視野をや座の方に動かしていくとや座を過ぎた辺りに見えてきます。
とても特徴的で整ったアステリズムですからすぐに分かるでしょう。