星座について知りたい

沈まない星座

沈まないとはどういうことか?

星座は東から上って西に沈んでいきます。 でも、一年中沈まない星座もあるのです。 北極星を考えて見ましょう。 北極星は天の北極付近にあって一年中見えていますよね。 では北極星が属している星座である「こぐま座」は沈むのでしょうか。

こぐま座の下方通過
この図はアストロアーツ社のステラナビゲーターというソフトでシミュレーションしたこぐま座の下方通過です。 お正月気分の抜けない1月5日の午後8時の北天の様子です。 こぐま座は北極星を含む星座で北天にあり、一番地平線に近づいたときでも沈まない様子がお分かりになるでしょうか。

沈む場所と沈まない場所

ではどこでもこぐま座は沈まないのでしょうか。 バンコクの1月5日の午後8時の北天の様子を見てみましょう。

こぐま座の下方通過
おや、バンコクではこぐま座は沈む星座のようです。 場所によって沈む、沈まないが違うようですね。

何故沈んだり沈まなかったりするのかを説明しますね。 上の図は仙台での1月5日20時の様子でした。 仙台の緯度は北緯38度16分です。 下の図はタイの首都バンコクでの様子です。 こぐま座の一部が地平線下に沈んでいます。 バンコクの緯度は13度45分なので仙台よりだいぶ南に位置しています。 この緯度の差が沈む星座、沈まない星座の鍵になっています。

北極星の高さはどれくらいか分かりますか。 北極星の高度(地平線からの角度)はその土地の緯度と同じなんです。 仙台では北極星の高度は38度くらいですが、バンコクでは13度程度です。 この差が沈むか沈まないかに関係していたんですね。 ちなみに北極点に行けば北極星の高度は90度、天頂に見えますし、赤道に行けば北極星の高度は0度ですから地平線上に見えるか見えないかぎりぎりのところということになります。

沈まない星座

星座が沈むとはどのような状況でしょう。 星座とは1928年にIAU(国際天文学連合)が決めた星座境界線で囲まれた領域です。 星座線は特段決まりがないので星座線によって沈む沈まないというあいまいな状況が生まれますので、本来沈む星座とはその土地(緯度)で星座の境界線が地平線下に没するかどうかで判断すべきものでしょう。 しかし、星座の境界線は目には見えませんし、全ての星座の境界線を覚える必要も感じられません。 そこで、ここでは星座は代表的な星座線で結んだ星座を形作る星が地平線下に沈むか沈まないかで判断することにしましょう。

とはいえ、日本は稚内の北緯45度から石垣島の北緯24度まで南北にとても長い国です。 一概にどの星座は沈まないということは言えないのですが、とりあえず日本の代表地として天文県である宮城県の県庁所在地、北緯38度の仙台での様子を考えて見ましょう。

沈まない星の範囲at仙台
仙台の北緯はおよそ38度ですから、北極星付近の天の北極(赤緯90度)から角度で38度以内の範囲にある星は沈まないことになります。 上の図で水色の丸の中の星が沈まない星です。 星座でいうと、カシオペア座、きりん座、ケフェウス座、こぐま座、りゅう座の5星座が仙台では沈まないのです。 おおぐま座は沈まない星座ではありませんね。 おおぐま座の北斗七星もぎりぎり柄杓の柄の先の星(アルカイド)が沈んでしまいます。 惜しいですね。 もう少し北に行けば北斗七星も沈まないアステリズムとなるんですけどね。 ちなみに北海道の稚内でもおおぐま座は沈まない正座にならないのです。 南の島である石垣島に行くと沈まない星座はこぐま座だけになってしまいます。 博多では上記5星座のうちりゅう座ときりん座の一部が地平線下に隠れるときがあるので、沈まないのは3星座となります。 だいたい5星座が(ほとんど)沈まない星座と覚えておけば間違いありません。 北に行くほど沈まない星座は増えていきます。(もちろん南半球では逆に南に行くほど沈まない星座が増えることになりますね。)

柿け?こだつ

津軽弁をご存知でしょうか。 少し前に伊那かっぺいという人がよくTVなどに出演していました。 青森放送の方で津軽弁タレントとしても活躍していましたが、現在は青森放送を退職してタレント業をしているようです。

この人の津軽弁の話術が巧みで引き込まれてしまうのですが、津軽弁は日本一短い単語で意味の通じる言語だそうです。 「わ」=一人称、「く」=食べる、「け」=食べろ などなど寒いからなるべく短い時間しか口を開かないのでそうなったと伊那かっぺいが言っていました。

「柿をお召し上がりください」は「柿け?」となるのでしょうか。 「寒いからコタツで柿でもお召し上がりください。」は「柿け?こだづ」で通じるでしょうか。

冬の寒い時期に津軽に星を見に行ったら、親切な人がきっと言ってくれます。
「かきけ?こだづ」

柿け?こだづ

もう覚えましたね。(今回はフィクションではありませんけど・・・)
沈まない星座を忘れたときには「柿け?こだづ」と思い出してください。

ちなみに私は津軽弁はよく分かっていません。 違うよ!という津軽弁Nativeの方の添削をお待ちしておりますm(_ _)m

星座名
カシオペヤ座
きりん座
ケフェウス座
こぐま座
たつ(竜) りゅう座

ケフェウス座

ケフェウス座のガーネットスター

ケフェウス座は北天の沈まない星座のひとつです。 古代のエチオピア(現代のエチオピアとは異なる)の王の姿とされ、カシオペヤ王妃の夫、アンドロメダ姫の父親ですね。 アンドロメダ姫を化クジラから救った勇者ペルセウスはその後アンドロメダ姫と生涯をともにしたとすれば、ケフェウスはペルセウスの義父ということにもなるんですかね。 ペルセウスはアンドロメダ姫を助けるときに空飛ぶ馬のペガススに乗っていたし、くじら座を含めて秋の星座はケフェウス王家総出演の壮大なストーリーが天上に展開されています。

ケフェウス座は将棋の駒のような5角形が特徴です。 アルファ星はアルデラミンという健康飲料かビタミン剤のような名前を持っています。 おうし座のアルデバランはすぐに覚えたのですが、ケフェウス座のアルデラミンはなかなか覚えられないのは私(の頭)と愛称が悪いのでしょうか。

ケフェウス座といえばなんといってもガーネットスターでしょう。 赤い星というとオリオン座のベテルギウス、さそり座のアンタレス、おうし座のアルデバランなどがすぐに思い浮かびますが、赤いという点ではガーネットスターがいち推しです。 ベテルギウス等はオレンジ色っぽい赤い星という印象ですが、ガーネットスターは赤っぽい赤い星(^-^;)です。 双眼鏡で見るとすぐに見つかるでしょう。 赤い星としてはうさぎ座RR星(クリムゾンスター)がずっと赤いのですが、うさぎ座RR星は8等星なので光害のあるところでの観望会で紹介するには難易度が高いです。 ガーネットスターは3等星~5等星の間で明るさが変化する変光星ですのでクリムゾンスターに比べれば見つけやすく赤い色もよく分かってもらえます。 明るい星の少ない秋の星座の中では観望会のときに活躍してくれる星ですのでぜひ覚えてください。